健康

歯周病が疑われるのはこんな人


2014.06.27

イラスト:奥田志津男

「歯周病」の予防のためには、正しい歯磨きを行い、「歯周病菌」の繁殖を抑えることが大切である。日本歯科大学 准教授の小川智久(おがわ・ともひさ)さんに、歯周病の原因と進行、そして自分が歯周病か否かをチェックする指標を教示いただいた。

*  *  *

歯周病は、歯肉(歯茎)に炎症が起こる病気で、進行すると歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)も破壊されてしまいます。日本人の場合、成人の8割以上に歯周病があるといわれています。また、歯を失う原因はいろいろありますが、その中で第1位を占めているのは、虫歯ではなく、歯周病なのです(※)。

■歯周病の原因とは
歯周病は、歯や歯肉にプラーク(歯垢〈しこう〉)が付着することが原因で起こります。プラークは細菌の塊で、中でいろいろな種類の細菌が繁殖しています。歯周病の原因となる何種類かの細菌もこの中にいて、それらは歯周病菌と呼ばれています。

歯磨きが十分に行われず、プラークが残っていると、そこで歯周病菌も増えてしまいます。歯周病菌は酸素のない環境を好む細菌なので、歯と歯肉の隙間(ポケット)が深くなるとよく繁殖します。

進行

健康な歯肉は薄いピンク色で、コラーゲンの働きでよく引き締まっています。しかし、プラークが付着し、歯周病菌が繁殖した状態が続くと、歯肉に炎症が起きて腫れてきます。この状態が歯肉炎(歯周病の初期の段階)です。

歯肉炎は、歯磨きできちんとプラークを除去しておくと、それだけで治ります。しかし、歯磨きが不十分だと、歯と歯肉の隙間で歯周病菌が繁殖を続けます。そのため、隙間はどんどん深くなり、歯磨きではプラークを取り除けなくなります。

この状態が歯周炎(歯周病の進行した段階)です。歯周病菌はコラーゲンを分解する酵素を出すため、歯肉は腫れてぶよぶよした状態になります。また、歯周病菌によって産出される毒素や炎症物質などにより、骨を溶かす働きが高まり、歯槽骨が徐々に破壊されていきます。そのため、歯を支えきれなくなり、最終的に歯が抜けてしまうこともあるのです。

歯周病が疑われる人

次の項目に一つでも当てはまる人は、歯周病になっている疑いがあります。

◎起床時に口の中が粘つく——プラークがある証拠です。そこで細菌が繁殖していて、細菌が出す物質が口の中にたまると、ネバネバした感じになります。

◎抜けたままにしている歯がある——抜けた歯がある人や、歯並びの悪い人は、歯を磨きにくい部位があるため、プラークが残りやすい傾向があります。歯が抜けた原因が歯周病の場合には、ほかの歯も歯周病になっているリスクが高いので注意が必要です。

◎歯ブラシに血が付く——歯肉に炎症が起きている証拠なので、少しでも血が付いたら歯周病だと考えられます。

◎歯が長くなったように見える——歯周病が進行して歯槽骨が破壊されると、歯肉が下がります。歯が長くなったように見えるのはそのためです。また、今は健康でも、過去に歯周病になっていた可能性もあります。

自己チェックをして、当てはまる項目がある人は対策が必要です。

※財団法人 8020推進財団「永久歯の抜歯原因調査報告書」平成17年

■『NHKきょうの健康』2014年6月号より

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