健康

子どもにこそ欠かせない紫外線対策


2014.06.14

イラスト:川野郁代

紫外線の浴び過ぎは皮膚などのトラブルのもと。一生に浴びる紫外線の半量以上を18歳までに浴びるといわれており、乳幼児期からきちんと紫外線対策を行うことが大切だ。神奈川県立こども医療センター 部長の馬場直子(ばば・なおこ)さんに、紫外線がもたらす悪影響と具体的な対策について教えていただいた。

*  *  *

紫外線の悪影響

太陽の光に含まれる紫外線は、体の中でビタミンDを作って骨や歯を丈夫にするなど、体によい作用をもたらします。この作用に必要な紫外線の量は、1日のうち15分間程度、買い物や散歩中に両手の甲が日に当たる程度で十分に吸収できます。ところが、紫外線を浴び過ぎると、皮膚などへのさまざまな悪影響が起こりやすくなることがわかってきています。

一般に、一生に浴びる紫外線の半量以上を、18歳までに浴びるといわれています。幼児期から高校生くらいまでは、屋外での活動が活発な時期だからですが、子どものころから浴びた紫外線の総量が多いほど、将来、悪影響が起こるといわれているので、この時期の紫外線対策は大変重要といえます。

子どもの皮膚は、大人の半分ほどの薄さで、紫外線の影響を受けやすいのです。特に紫外線量の多い初夏から夏(5〜9月)に、子どもの紫外線対策をどのように行うかが、将来の皮膚の状態を大きく左右するといっても過言ではありません。もちろん、家の中に閉じこもって紫外線を避ける必要はありません。子どもが外気を浴びるメリットは大きいので、紫外線を避ける対策を十分にとったうえで、外で活動させるようにしましょう。

■紫外線の悪影響
紫外線を浴び過ぎると、次のような悪影響があります。

◎炎症が起こる——短期的には、日焼けで炎症が起こり、やけどのように皮膚が赤くなってヒリヒリしたり、水ぶくれができたりします。

◎皮膚の老化が早まる——しみやしわは加齢によってできますが、紫外線を長時間繰り返し浴びると、皮膚の老化が早まると考えられます。

◎皮膚がんの原因になる——紫外線によって遺伝子が傷つき、がん細胞が生じることがあるため、将来的には、皮膚がんの原因になることも考えられます。

◎白内障が起こりやすくなる——目に紫外線を長時間繰り返し浴びると、目の水晶体の濁りを促進し、白内障が起こりやすくなることがわかっています。
 

紫外線対策

■肌を出さない服装を
子どもの紫外線対策では、まず、外出時の服装に気をつけます。理想は、長袖の上着に長ズボンで、なるべく肌を出さないことです。紫外線防止効果のある素材の衣類を着用させるのもよいでしょう。

帽子は必需品で、「つばが広い」「うなじまで隠れる」ことがポイントです。また、紫外線から目を保護するためには、子どもが嫌がらなければ、紫外線防止効果のあるサングラスをかけさせるのもよい方法です。

■乳幼児期から日焼け止めを塗る
暑い時期に、半袖、半ズボンなどで肌が露出するときは、クリームタイプやローションタイプの日焼け止めを塗りましょう。塗り方は、手のひらに日焼け止めを出し、額、頰、鼻の頭、顎など日焼けしやすい部分に置き、そこからまんべんなく、丁寧に塗り伸ばします。塗り忘れをしやすい首の後ろ、耳、手足の甲などにも、忘れずに塗ってください。その後、もう一度同じ量を重ね塗りします。汗をかいて流れてしまうこともあるので、2、3時間おきに塗り直すと効果的です。

子どもの皮膚は大人に比べて、刺激に弱く、かぶれやすいので、「子ども用」と表示されている低刺激の日焼け止めを選びます。初めて使う場合は小範囲に塗って1日おき、様子を見て、かぶれが出なければ使うようにします。肌に傷や湿疹がある場合には、日焼け止めによって悪化することもあるので、傷や湿疹のある場所には塗らないようにします。

プールや海では、日焼け止めが水で落ちやすいので、「ウオータープルーフ(※)の日焼け止めをしっかり塗る」「腕や脚を覆う丈の長い水着を着る」などの対策も必要です。学校のプールなどでは、日焼け止めを使用できない場合もありますが、日焼け止めだけに頼るのではなく、「袖のある水着を着る」、プールサイドで待っている間は、「テントの下に入る、バスタオルをかける、Tシャツを着る」などの工夫で紫外線を防ぐことも大切です。

※耐水性のあるもの。汗や涙、水などに強く、落ちにくい。

■『NHKきょうの健康』2014年6月号より

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