健康

子どもの健康な歯を守るには? 小児科医が疑問にお答え


2014.06.07

イラスト:matsu(マツモト ナオコ)

6月は、歯の衛生週間(4日~10日)がありますね。実は、子どもの虫歯はこの20年ぐらいでどんどん減ってきています。歯の健康への意識が高まってきたことが、虫歯を減らしているのです。では、具体的にどんなこと気をつければよいのか、日常的な注意やケアの方法などについて小児科医の金子光延(かねこ・みつのぶ)さんが解説します。
 
また、やはり質問の多い、指しゃぶりやおしゃぶりと歯や顎の成長についてもお答えします。
 
*  *  *
 

Q 虫歯はどうしてできるの?

虫歯は、歯の表面に虫歯菌(ミュータンス菌)が増殖し、菌がつくり出す酸で歯が溶けることで起こります。虫歯菌は糖分が大好きなので、砂糖の多い甘いものを食べたままでいると、どんどん増殖していきます。また、ご飯やスナック菓子などの炭水化物が歯に付着していても増殖します。
 

Q 虫歯菌はどこからくるの?

虫歯菌は、虫歯のある人の口から子どもの口にうつっていきます。親子で口移しをしたり、親が使ったお箸やスプーンで食べさせたりすることで、虫歯菌がうつることもあります。子どもの虫歯予防には、家族全員が口腔(こうくう)内の清潔を保つことが大切ですね。
 

Q 虫歯になりやすい食習慣は?

甘いものに限らず、始終何かを食べている状態は、虫歯菌を増やすことになります。“ダラダラ食べ”は虫歯のもと。いくらしっかりと歯磨きをしても、ダラダラ食べの習慣があると、虫歯になりやすくなってしまいます。食事やおやつの時間はきちんと決めておきましょう。またキャラメルなど歯にこびりつきやすいものは虫歯の原因になりやすいので、食べた後にはしっかりケアしてください。
 

Q 歯磨きはいつから始める?

歯磨きは、乳歯が生えてきたら始めます。ただ、乳児は唾液の分泌が多く、虫歯菌が歯につきにくいので、虫歯ができる危険はそれほどありません。1日1回、寝る前だけで十分です。最初は、ガーゼで歯の表面を拭う程度でよいでしょう。乳歯がしっかり生えてきたら歯ブラシを使います。
 
子どもが自分で磨けるようになるのは、だいたい3歳過ぎぐらいから。食後に磨く習慣をつけさせましょう。磨き残しがあるので、小学校低学年ごろまでは親が仕上げ磨きをしてあげましょう。うがいができるようになったら、虫歯予防効果のあるフッ素入りの歯磨き剤を使いましょう。歯磨き後は、1〜2回うがいをさせてくださいね。
 

Q 乳歯の虫歯、生え変わるので気にしなくても大丈夫?

基本的には大丈夫です。軽い虫歯なら永久歯に影響することはほとんどありませんし、毎日の正しいケアで自然に治ることもあります。ただし、深くまで溶けた重症の虫歯を放置していると、食事をとりにくくなったり、永久歯に影響することもあります。ひどい虫歯や虫歯の数が多い場合は、必ず歯医者さんに診てもらいましょう。
 

Q 子どもが歯磨きを嫌がります

まず歯ブラシを口に入れることに慣れさせてください。無理せず、優しく話しかけながら磨いてあげるとよいでしょう。親も一緒に歯磨きをすると、まねをして歯磨きをするようになることも多いですね。上手にできたら褒めてあげましょう。
 
歯磨きを嫌がって歯垢(しこう/虫歯菌の塊)が取れない場合は、歯医者さんで歯垢の掃除をしてもらうとよいでしょう。
 

Q 乳歯の歯並びは永久歯に影響する?

乳児期の歯並びが、そのまま将来の歯並びに影響することはありません。永久歯の歯並びに影響する要因はいろいろありますが、ひどい虫歯にならないようにする、授乳期終了後におしゃぶりを常用しない、などのことが大切だと思います。
 
また、乳児期に下顎が前に出る「反対咬合(こうごう)」が目立つことがあります。顎が発達する3歳過ぎには治ってくることが多いのですが、4歳ごろを過ぎても気になる場合は、歯医者さんに相談してみましょう。
 

Q 指しゃぶりはほうっておいても大丈夫?

乳児期の指しゃぶりは心配いりません。舌が発達すると、指しゃぶりは自然となくなります。ただし、4歳ごろを過ぎても頻繁に指しゃぶりをする場合は、歯や顎の成長に影響することがあります。優しく注意しても続く場合は、小児科医に相談してみましょう。
 

Q よく歯ぎしりをします。歯への影響は?

歯が生えてくる時期の歯ぎしりは珍しくありません。自然に収まりますし、歯の発達に影響はないので、心配ありませんよ。
 

■『NHKきょうの健康』2014年6月号連載「こんなときどうする?子どもの健康質問箱」より

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