健康

若い世代の腰痛に多い椎間板ヘルニア、その原因と症状


2014.04.14

イラスト:中村知史

年代ごとに発症しやすい腰痛は異なるが、10〜40歳代の若い世代に多い腰痛の原因に、「椎間板ヘルニア」がある。その症状と原因を慶應義塾大学 准教授の松本守雄(まつもと・もりお)さんに解説いただいた。

 

*  *  *

 

10〜40歳代の若い世代に多い腰痛の原因が、椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアは、腰にある神経が圧迫されて、痛みやしびれなどの症状が現れる病気です。

 

■神経が圧迫される

 

背骨(脊柱)の腰の部分(腰椎)は、5つの椎骨で構成されています。そして椎骨と椎骨の間には、「椎間板」と呼ばれる軟骨が入っています。椎間板は、硬い椎骨どうしが直接ぶつからないよう、クッションの役割を果たしています。

 

腰に大きな負担がかかると、この椎間板にひびが入り、内部にあるゼリー状の物質(髄核〈ずいかく〉)が軟骨と一緒に外に飛び出してしまうことがあります。これが、「椎間板ヘルニア」です。

 

飛び出したゼリー状の物質が、腰椎を通る神経の束(「馬尾(ばび)」※)や、そこから枝分かれしている神経(神経根)を圧迫すると、強い痛みやしびれなどの症状が現れます。

 

■加齢や喫煙が原因になる

 

椎間板にひびが入る原因には、次のようなものがあります。

 

◎急激な衝撃——激しい運動や、重い荷物を持つ作業などで、腰に強い衝撃が何度も加わると、だんだん椎間板が劣化し、ひびが入りやすくなります。

 

椎間板ヘルニアが若い世代に多いのも、激しい運動や重労働をする人が多いことが一因といえます。強い衝撃だけでなく、デスクワークなどによって長い間悪い姿勢を続けていると、腰に負担がかかり、やはりひびが入りやすくなります。

 

◎加齢——椎間板の老化は、20歳代から始まっています。椎間板が劣化していると、それほど強くない衝撃でも、ひびが入る可能性があります。

 

◎喫煙——喫煙による血流の悪化も、椎間板ヘルニアの要因と考えられています。

 

◎体質——体質的に、椎間板にひびが入りやすい人がいます。10歳代で椎間板ヘルニアを起こす場合は、体質的な要因が考えられます。

 

■痛みやしびれなどが現れる

 

椎間板ヘルニアの腰痛では、前かがみを続けると、痛みが強くなるのが特徴です。前かがみの姿勢になると、椎間板が背中側に押される力が強まり、神経をより強く刺激してしまうためです。

 

また、いすに長く座っていると、腰の痛みが強まります。

 

椎間板ヘルニアでは、お尻から太もも、ふくらはぎにかけて、痛みやしびれが出たり、麻痺(まひ)して脚に力が入りにくいなどの、神経症状が現れやすいのも特徴です。腰椎からは、馬尾から足へと向かう末梢(まっしょう)神経が枝分かれしています。この神経が圧迫されると、腰から脚にかけて、神経症状が出てくるのです。

 

痛みに加え、これらのような神経症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

※ 頚椎(けいつい)から胸椎へと続く脊髄は、腰椎の部分で「馬尾」と呼ばれる神経の束になっている。

 

■『NHKきょうの健康』2014年4月号より

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