健康

誰にでも起こる可能性がある「加齢性難聴」、原因と予防


2014.01.07

イラスト:クスノキミワ

「難聴」には、さまざまなタイプがあるが、「加齢性難聴」は加齢に伴い、誰にでも起こる可能性がある。慶應義塾大学 教授の小川郁(おがわ・かおる)さんに加齢性難聴の原因と予防について教えていただいた。

 

*  *  *

 

「難聴」には、さまざまなタイプがある。その一つの「加齢性難聴(老人性難聴)」のほか、「中耳炎」による難聴、「突発性難聴」や「急性低音障害型感音難聴(低音難聴)」、めまいを伴う「メニエール病」による難聴などがあります。なかでも最も多いのが、「加齢性難聴」です。

 

原因

 

耳の中の内耳にある「蝸牛(かぎゅう)」には、細かい毛をもつ「有毛細胞」があります。音は、振動として有毛細胞を刺激し、電気信号に変えられて脳に伝わり、音として認識されます。ところが、加齢に伴って、有毛細胞の毛は折れたり抜けたりして壊れ、次第に音を聞き取りにくくなります。

 

加齢性難聴は、片側だけに起こることはまれで、両耳が同じように聞こえにくくなるケースがほとんどです。また、一般に蝸牛の根元にある、高い音(振動回数が多い音)を聞き取る細胞から壊れてくるので、高い音から聞こえにくくなるという特徴があります。私たちが話す言葉のうち、「さ行」「か行」「は行」などの子音は振動回数が多いため、聞き取りにくくなり、例えば、「7時(しちじ)」と「1時(いちじ)」、「佐藤さん」と「加藤さん」を間違えやすくなったりします。

 

予防

 

加齢性難聴は、加齢によって起こるので、完全に予防することは困難です。ただし、次のような方法で進行を遅らせることができます。

 

◎生活習慣病を防ぐ——耳の中の血管はごく細く、生活習慣病などにより血流障害が起こると、細胞に酸素や栄養が行き渡らず、壊れやすくなります。血流障害を起こす原因となる高血圧や高血糖、高コレステロールなどがあれば、コントロールします。

 

◎大音量や騒音を避ける——大きな音は、有毛細胞を大きく揺らすため、早く傷む原因になります。大音量や騒音に耳がさらされる環境はできるだけ避け、耳を酷使しないことが大切です。音楽を楽しむ場合でも、音の大きさに注意し、一定時間ごとに休憩をとるとよいでしょう。

 

■『NHKきょうの健康』2014年1月号より

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