健康

ほうっておくと命に関わる「睡眠時無呼吸症候群」


2013.12.25

イラスト:さいとうあずみ

大きないびきとともに、一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠不足や日中の強い眠気のほか、「心筋梗塞」や「脳梗塞」などを招くこともある。日本大学 臨床准教授の赤星俊樹(あかほし・としき)さんに、睡眠時無呼吸症候群の症状について詳しくうかがった。

 

*  *  *

 

睡眠時無呼吸症候群とは、大きないびきとともに、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。医学的な定義では、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が、1時間当たり5回以上繰り返される状態をいいます。

 

日本での潜在的な患者数は約200万人以上と推定されていますが、実際に治療している人は、その1割程度です。睡眠中に起こるため、自分では気付きにくいということが原因と考えられます。

 

重症化したまま放置していると、命に関わることもあります。心筋梗塞や脳梗塞などを発症して死亡するリスクが、健康な人の約3倍になるというデータもあるのです。

 

無呼吸が引き起こす症状とは

 

睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中に呼吸をしているときは大きないびきをかきますが、無呼吸になるといびきもやみ、数十秒後に呼吸が再開して、再びいびきをかき始めます。これを一晩に何度も繰り返します。無呼吸の間は体が低酸素状態になりますが、そのたびに脳が防衛的に目覚め、呼吸が再開されます。そのため、熟睡できず、睡眠不足に陥ります。

 

睡眠不足が続くと、「日中の耐えられないほどの眠気」や「倦怠(けんたい)感」「起床時の頭痛」「うつ状態」などが現れ、仕事や勉強がはかどらないなど、日常の作業能率に支障が出ることも少なくありません。

 

また、日中の強い眠気が居眠り運転を招くこともあり、ある調査によると、交通事故を起こすリスクは約2.6倍にも上昇します。

 

睡眠時無呼吸症候群が命に関わる病気につながるのは、低酸素状態が続くことで交感神経が活発になり、心臓や血管に大きな負担がかかるためです。先述の心筋梗塞や脳梗塞のほか、「高血圧」や「不整脈」なども起こりやすくなります。

 

また、低酸素状態と睡眠不足の影響で体に過度のストレスが加わると、糖の代謝に関わる「インスリン」というホルモンの働きが悪くなるため、血糖値が上昇して「糖尿病」を発症したり、「脂質異常症」を招くこともあります

 

■『NHKきょうの健康』2013年12月号より

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