健康

脚の付け根や太ももの痛み…変形性股関節症かも


2013.12.10

イラスト:渡部淳士

股関節の関節軟骨がすり減って、股関節が痛んだり、変形したりする病気が「変形性股関節症」だ。症状が進むと、日常生活にも支障を来すため、初期の段階から適切な治療を行うことが重要だと、新潟大学大学院 教授の遠藤直人(えんどう・なおと)さんは指摘する。変形性股関節症とその原因について、遠藤さんに詳しくうかがった。

 

*  *  *

 

変形性股関節症とは

 

変形性股関節症とは、股関節の「関節軟骨」がすり減って、股関節が痛んだり、変形したりする病気です。日本では、特に女性に多く起こります。股関節の痛みの多くは、変形性股関節症が原因と考えられています。

 

変形性股関節症が起こると、多くの人が脚の付け根に痛みを感じるようになります。しかし、初期の段階では、股関節に限らず「太もも」や「膝」、「腰」などに、違和感やだるさ、痛みなどの症状が現れることもあり、膝の病気や腰の病気と間違える人もいます。

 

変形性股関節症をほうっておくと、歩く、立つ、座るといった動作が不自由になってきます。悪化すると、日常生活に大きな支障を来します。病状の進行を抑えるためには、変形性股関節症の初期症状を見逃さないように注意して、できるだけ早い段階から進行を遅らせるための治療と対策に取り組むことが大切です。

 

変形性股関節症の原因

 

股関節は、「骨盤」と、太ももの骨である「大腿骨(だいたいこつ)」をつなぐ関節で、骨盤側の「臼蓋(きゅうがい)」というくぼみの部分に、大腿骨の先端部分である「骨頭(こっとう)」が収まって出来ています。その周りは筋肉で覆われています。

 

臼蓋と骨頭の表面は、厚さ2〜4mmの滑らかな組織である関節軟骨で覆われています。それによって、スムーズに脚を動かすことができます。

 

変形性股関節症の原因はまだ不明な点も多いのですが、日本人は欧米人に比べて、股関節の脱臼や生まれつき股関節の形に異常があるケースが多いことがわかっています。なかでも、「臼蓋形成不全」が原因で変形性股関節症になることが多いとされています。

 

◆臼蓋形成不全とは

 

正常な股関節は、臼蓋が大腿骨の骨頭をふたのようにしっかりと覆っています。ところが、臼蓋の形成が不十分でくぼみが浅いと、骨頭は十分に覆われません。この状態を臼蓋形成不全と呼びます。

 

臼蓋形成不全の場合は、股関節の一部に集中して体重がかかるので、その部分の負担が大きくなり、関節軟骨がすり減ったり、骨が変形しやすくなります。

 

すり減った関節軟骨は、ほとんど元には戻りません。臼蓋形成不全でもともと股関節の形が悪い場合、「加齢」や「肥満」など変形性股関節症のほかの原因があると、関節軟骨のすり減りや骨の変形がさらに早まってしまいます。

 

■『NHKきょうの健康』2013年12月号より

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