健康

ノロウイルスの感染経路と予防法


2013.11.07

図1:細菌とウイルスの月別食中毒患者数(2006~2012年合計)。2012 年厚生労働省食中毒統計調査より

食中毒は高温多湿になる夏のイメージがありますが、寒い冬にも猛威を振るうウイルスが存在します。その名はノロウイルス。残念ながら特効薬がないので、日頃の習慣が予防の決め手になります。まずは敵の正体を知って、食中毒に負けない環境をつくりましょう! 女子栄養大学教授の上田成子(うえだ・しげこ)さんに、ノロウイルスの感染経路と、簡単にできる殺菌方法を教わりました。

 

*  *  *

 

人から感染するノロウイルス

 

夏の食中毒は菌による腐敗などが主な原因ですが、本当に怖いのは寒くなる冬の食中毒。2006年から患者数が急増したノロウイルスは、12月から2月に活動が活発になります(図1)。ノロウイルスによる食中毒の原因食品はかきなどの二枚貝といわれていますが、「魚介類」が約1.5割に対し、サンドイッチやお弁当などの「複合調理食品」や「特定食品・食事」から感染するケースが約7割を占めています(図2)。また発生場所でいちばん多いのが飲食店であることからも、魚介類を食べて直接感染する以上に、ノロウイルスの保菌者が調理したものを食べて間接的に感染し、拡大していることがわかります。

 

ノロウイルスの怖い点は、効果のある抗ウイルス薬がないこと。このため、日々の健康管理が大切です。よくいわれることですが、食事と睡眠、ストレス解消を心がけ、ウイルスに負けない抵抗力を高めるようにしましょう。そしてノロウイルスを増やさないキッチンの衛生管理が、予防策になります。

 

感染予防は日頃の習慣から

 

ノロウイルスはどこに潜んでいるかわかりません。知らず知らずのうちに触っている可能性もあるので、汚染を広めないためにも食材を扱うキッチンは、いつでも清潔に保ちたいものです。家庭でも簡単にできるノロウイルスの殺菌方法を2つ紹介します。毎日使うものはそのつど、作業台や床などは定期的な消毒が理想的です。

 

【1】消毒液をつくる

 

まな板や包丁などの調理道具や布巾は、家庭用塩素系漂白剤を水で薄めた液に浸すことで消毒ができます。スプレー容器に入れておけば、気づいたときに使用できて便利です。ちなみにアルコール類は細菌には効果があるが、ウイルスに対する効果はあまり期待できません。濃度の目安は、家庭用塩素系漂白剤5ミリリットル(ペットボトルのキャップ1杯分)+水1.25リットル(500ミリリットルのペットボトル2.5本分)が使いやすいでしょう。

 

【2】煮沸消毒をする

 

ノロウイルスは1分間以上、煮沸することで殺菌ができます。布巾やタオルなどに有効です。ふだんから煮沸消毒を心がけて、習慣にしましょう。

 

家庭用塩素系漂白剤を扱うときの注意事項

・換気を十分に行いましょう。

・原液は皮膚への刺激が強いので、ビニール手袋を使用して直接触れないように。

・薄めた液は時間とともに効果が減少するので、こまめにつくるように。

 

■『NHKきょうの料理 ビギナーズ』2013年11月号より

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