健康

糖尿病 インスリンの作用が低下する2つの原因


2013.11.20

イラスト:さとうみなこ

全身にさまざまな合併症を引き起こす「糖尿病」。東京慈恵会医科大学附属第三病院 診療部長の森 豊(もり・ゆたか)さんは、合併症を防ぐためにも、糖尿病についてよく知ることが必要だと説く。血糖値と糖尿病について、森さんに詳しくうかがった。

 

*    *    *

 

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が常に高い状態になる病気です。

 

ブドウ糖は食事から体の中に取り込まれ、血流によって全身に運ばれます。ブドウ糖は筋肉などでエネルギー源として使われて、余分なブドウ糖は肝臓などに貯蔵されます。このとき、膵臓(すいぞう)から分泌される「インスリン」というホルモンが全身に作用しています。

 

ブドウ糖は、インスリンが作用することによって筋肉や肝臓に取り込まれますが、糖尿病があるとインスリンが十分に作用しないので、ブドウ糖は筋肉や肝臓に取り込まれません。そのため、血液中のブドウ糖の量が常に多くなってしまいます。

 

インスリンの作用が低下する原因

 

インスリンが十分に作用しなくなる主な原因には、次の2つがあります。

 

◉インスリン分泌量の低下——膵臓から分泌されるインスリンの量が少なくなります。遺伝的な体質が関係しており、日本人にはこの体質をもつ人が多いといわれています。

 

インスリン抵抗性——インスリンは分泌されていても、筋肉や肝臓で十分に作用しなくなることを、「インスリン抵抗性」といいます。原因は肥満で、「内臓脂肪」が蓄積すると、脂肪細胞からインスリンの働きを悪くする物質が多く分泌されるためだと考えられています。欧米人に多いタイプですが、最近は日本人にも増えていることがわかってきました。

 

糖尿病の多くは、この2つの原因が重なって起こると考えられます。

 

■『NHKきょうの健康』2013年11月号より

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • テキスト定期購読

  • テキストビュー300×56

000064072502019_01_136

NHK出版 学びのきほん からだとこころの健康学

2019年09月25日発売

定価 737円 (本体670円)

000067941852019_01_136

別冊NHKきょうの健康 シニアの骨粗しょう症・圧迫骨折を防ぐ!

2019年07月22日発売

定価 1210円 (本体1100円)

000067941842019_01_136

別冊NHKきょうの健康 シニアの逆流性食道炎

2019年06月21日発売

定価 1210円 (本体1100円)