健康

なぜ多い? 山梨県の塩分摂取量


2013.11.05

イラスト:植木美江

“塩分のとり過ぎは体に悪い”ということは広く知られているが、和食では塩分が多くなりやすいこともあり、日本人の摂取量は依然として多い傾向にある。厚生労働省による「国民健康・栄養調査」平成22年版によると、都道府県別の1日当たりの塩分摂取量が男女ともに最も多い県は山梨県だった。国立病院機構九州医療センター 科長の土橋卓也(つちはし・たくや)さんと、山梨大学医学部教授の山縣然太郎(やまがた・ぜんたろう)さんが、日本人の塩分摂取量について解説する。

 

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食品に含まれている塩分は目には見えないので、知らず知らずのうちにとり過ぎてしまう傾向があります。厚生労働省が定めている成人の1日当たりの塩分摂取量の目標値(※1)は、男性では9.0g未満、女性では7.5g未満となっています。しかし、日本人の全国平均を見ると、男性は11.8g、女性は10.1gと、男女ともに目標値を大きく上回っています。

 

都道府県別に1日当たりの塩分摂取量を見てみると、第3位は男性が福島県、女性が茨城県、第2位は男性が青森県、女性が福島県、そして、第1位は、男女ともに山梨県でした(※2)。山梨県では、全国平均と比べて男性は1.5g 、女性は1.1gも多いことがわかっています。

 

山梨県の塩分摂取量が多い理由

 

山梨県の人々の塩分摂取量が多い明確な理由はわかっていませんが、昔からの食習慣が関係していると考えられています。その一つが「無尽(むじん)」です。

 

無尽とは、決まったメンバーで月に1回程度行われる集まりのことで、仲間どうしで飲んだり食べたり楽しく過ごします。この無尽が塩分摂取量に関係する理由は、外食の機会が増えることにあります。外食は一般的に味が濃く、お酒を飲むと余計に濃い味のものをおいしく感じるため、塩分をとり過ぎてしまう傾向があるのです。

 

また、山梨県県民栄養調査では、野菜と魚介類を多く食べる人ほど塩分摂取量も多いことがわかっています(※3)。野菜や魚介類は和食の中心食材であり、和食が健康によいことは周知ですが、塩分が多いことが欠点です。山梨県では魚の煮つけなど味の濃い料理や野菜の漬物がよく食べられています。また、郷土料理の「ほうとう」には野菜をたくさん入れますが、みそ仕立てなので塩分が多くなります。

 

外食の多さや味付けの濃さによって塩分摂取量が増えるのは、山梨県の人々に限られた話ではなく、塩分をとり過ぎている人全般にいえることです。

 

※1 「 日本人の食事摂取基準」2010年版

※2  厚生労働省「国民健康・栄養調査」平成22年

※3  山梨学院大学 古閑美奈子調べ

 

■『NHKきょうの健康』2013年11月号より

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