教養

いま写経が人気の理由


2013.06.05

撮影:川本聖哉

「私は職業柄、書にいつも携わっていますが、時々無性に写経をしたくなることがあります」と語るのは書家の利根川秀佳(とねがわ・しゅうか)さん。特に、仕事に追われて精神的に疲れているときや、肉体的にも疲れているときが多いとか。静かなブームとなっている写経の、人気の理由は何なのだろうか。写経の成り立ちと合わせて利根川さんにうかがった。(監修:大角修)

 

*  *  *

 

写経といえば「般若心経(はんにゃしんぎょう)」を思い浮かべる方が多いと思いますが、仏教の経典を書き写すこと、または書き写した経典のことを「写経」と言います。

 

もともとは経巻(経文〈きょうもん〉が書かれた巻物)を手書きで作るために中国で盛んになり、日本では奈良時代に急増した寺院に必要な経巻を制作するため、国家事業として行われました。同時に、写経は仏に祈るための行いとして広まり、現在まで続いています。

 

一文字一文字、心の安らぎや願いを込めて写経に没頭していると、その間は不思議と日常の煩わしさから離れていることに気づく、という声がよく聞かれます。いらいらしてしまったり、心が落ち着かなかったりしたときに写経と向き合うと、いつの間にか心が安らかになっているのです。このことが、写経が人気を呼んでいる理由の一つなのかもしれません。

 

■『NHKまる得マガジン ゼロから始める写経』より

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