教養

「般若=恐ろしいもの」は間違い 本当の意味とは?


2013.04.23

般若(はんにゃ)と聞くと、角の生えた怖い顔のお面をイメージする人が多いが、本来の「般若」に恐ろしい意味はないという。東京藝術大学大学院教授(文化財保存学)の籔内佐斗司(やぶうち・さとし)さんに般若の真実と、あのポピュラーなお経について教えていただいた。

 

*  *  *

 

般若というと角の生えた怖いお面を連想しますね。じつは、あのお面の般若は般若坊という面打ち師の名前からとったもので、本来の「般若」に恐ろしい意味はありません。もともと「般若」とはサンスクリット(梵語。古代インドのことば)で、お釈迦さまが悟られた「ほとけさまの智慧」という意味を表しているのです。

 

「般若心経(しんぎょう)」というお経をご存じでしょうか。わが国では、浄土真宗以外のほとんどの宗派や、修験道(しゅげんどう)などでも唱えられるポピュラーなもの。西暦2〜3世紀に成立した短いお経で、般若、すなわちほとけさまの智慧について解説するという内容です。

 

その冒頭は「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)が深遠なほとけの智慧を修行していたとき……」で始まります。「観自在菩薩」とは、観音菩薩すなわち観音さまのこと。観世音(かんぜおん)菩薩、光世音(こうぜおん)菩薩などとも呼ばれます。仏教の世界観では、閻浮提(えんぶだい)という大陸のはるか南にある補陀落山(ふだらくせん)にすんでいるとされ、般若心経にも登場するように、智慧の象徴でもあるのです。

 

■『NHK趣味Do楽 籔内佐斗司流 仏像拝観手引 日本列島巡礼編』より

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