教養

サン=テグジュペリの父方は十字軍の時代から続く名家だった


2013.03.01

『星の王子さま』の作者、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは1900年6月29日にフランスの商業都市リヨンで生まれた。北九州市立大学名誉教授の水本弘文さんに、サン=テグジュペリの少年時代を聞く。

 

*  *  *

 

サン=テグジュペリの父方は十字軍の時代から続く旧家で伯爵の称号を持っています。5人兄弟の真ん中で、上には姉が2人、下に弟と妹がいました。

 

3歳のときに父親が急死しますが、残された家族は同じリヨンに住む母の大叔母ド・トリコー伯爵夫人の庇護のもとで、窮乏することもなく生活できました。リヨン近郊の村、サン=モーリス・ド・レマンにあるド・トリコー伯爵夫人の館や、母の実家である南フランスのラ・モールの館が主な生活の場となり、サン=テグジュペリの作品には何度もそのころの思い出が出てきます。

 

初めて飛行機に乗ったのも、サン=モーリス・ド・レマン近くのアンベリュー飛行場でした。飛行機に興味津々の少年にパイロットが好意を持ち、飛行機に乗せて、飛行場上空を2周してやったのです。12歳でした。ライト兄弟が初めてエンジン付きの飛行機で空に舞い上がってから9年、飛行機の信頼性はまだ薄く、このときサン=テグジュペリを乗せてくれたパイロットも2年後には墜落事故で亡くなっています。

 

それでも、サン=テグジュペリにとって空を飛ぶことは、このときから死ぬそのときまで求めて止まぬ夢であり続けました。

 

■『NHKテレビテキスト 100分de名著 サン=テグジュペリ 星の王子さま 12月号』より

 

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