教養

俳句とも馴染み深い、和紙の伝統美


2014.04.20

雁皮紙で作られたかな料紙(りょうし)。砂子(すなご)入りやぼかしまで、美しい和紙の世界に触れられる。撮影:岡田ナツ子

障子(しょうじ)紙や襖(ふすま)紙、便せんや封筒、葉書、のし袋、包装紙。和紙は、私たちの暮らしの中のさまざまなところに使われています。俳句を記す短冊も和紙で作られ、和紙にまつわる季語もたくさんあります。和紙の魅力を、東京・日本橋の老舗和紙舗「榛原(はいばら)」の協力を得てご紹介します。

 

まずは和紙や和紙の素材を詠った名句を紹介します。

 

三椏(みつまた)の花三三が九三三が九

稲畑汀子(いなはた・ていこ)

 

紙一重水の一重と漉(す)きあがる

中原道夫(なかはら・みちお)

 

質感や風合いなど、和紙の表面をよく見ると微妙な違いがあります。その多くは原料の違いによるものですが、ここでは代表的な和紙を紹介しましょう。

 

奉書紙(ほうしょがみ)——やや厚手の上質な紙で、主な原料は楮(こうぞ)。現在の奉書紙は、楮の手漉きのほかパルプ入りや透かし模様の入ったものなど、質感や厚みもさまざま。木版や巻紙、懐紙、免状用紙、投票用紙などに幅広く活用されています。

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奉書紙

 

檀紙(だんし)——奈良時代には植物の檀(まゆみ)を原料にしていたようですが、平安時代以降は楮が主流に。紙の表面にある細かいシボ(シワともいう)が檀紙の特徴になっています。こうしたシボがあり地厚な檀紙は、文字を書くのに適しませんが、金封包みなどにすると格調が出ます。

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檀紙

 

雁皮紙(がんぴし)——主な原料は雁皮ですが、楮入りも。紙肌がきめ細やかで美しく、光沢があります。墨つきがよく筆の滑りがよいため、文字を書くのに適した紙で、平安時代に歌人に愛用されたといわれます。現在も書や絵、歌などに使われます。

 

■ 『NHK俳句』2014年4月号より

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