教養

桜をイメージした和菓子と季語


2014.04.13

菓銘 遠桜(とおざくら)
きんとん製 小倉餡入 初出 昭和54(1970)年 菓子製作:とらや
撮影:鈴木雅也

俳句に用いられる季語は、日常の生活の中でも季節を愛でることばとして使われてきました。実は和菓子の菓銘にも、季節をあらわす言葉が使われています。4月号から新連載としてスタートした「美しいことばと和菓子」では、そんな和菓子と季語について俳誌『椋』代表の石田郷子さんが紹介します。

 

四月号は桜を詠んだ名句を紹介します。

 

山門も伽藍(がらん)も花の雲の上 

高浜虚子(たかはま・きょし)

 

 

花の雲とは、満開の桜がまるで雲のように見える様子をいいます。長い石段を仰ぐと、まるで花の上に浮かんでいるような山門が見え、その先には古寺の甍(いらか)がのびやかに反って春日を返しています。調べの大らかさに春を迎えた感慨がこもっています。

 

今月の和菓子は、遠く咲き満ちた桜をイメージしたきんとん。紅白のそぼろで表現された、深々とした花の濃淡を、一服のお茶の緑が引き立てることでしょう。
■『NHK俳句』2014年4月号より

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