教養

ユリ・ゲラー「スプーン曲げ」は本物か? NHKが科学的検証に挑んだ!


2014.03.22

幽霊、臨死体験、生まれ変わり、念力、透視、予知、テレパシー……。世の中には「超常現象」と呼ばれているものがあります。信じるか、信じないかは人によってそれぞれですが、摩訶不思議な現象であることには間違いありません。
科学者にとってみれば、「超常現象とは、現代科学では説明ができないだけであって、いつかは必ず合理的な説明がつけられる自然現象や物理現象である」というのが、大方の見方だそう。本書、『NHKスペシャル 超常現象 科学者たちの挑戦』(梅原勇樹、苅田章 著、NHK出版)のまえがきにある、NHKスペシャル「超常現象」プロジェクトで制作統括を務める大里智之氏の言葉です。

 

1970年代に登場し、“超能力者”として、一躍世界的な有名人となった、ユリ・ゲラー。彼が得意とする、「スプーン曲げ」を、実際に自分でもやったことがあるという方も多いと思いますが、その彼が、科学者たちの検証実験に協力していたことはご存じだったでしょうか。
当時、イスラエル出身のゲラーを“能力”の検証のために、アメリカに招聘したのは、名門・スタンフォード大学を母体に設立された、スタンフォード研究所です。スタンフォード研究所といえば、コンピューターのマウスやインターネットのプロトタイプなど、現在の我々の生活を支える情報通信技術を多く開発したとされる、アメリカでも屈指の研究所で、世界的にもその名を広く知られています。

 

ちなみに、当時の科学者たちは、検証することが困難なスプーン曲げに代表される「念力」よりも、彼の「透視」の能力に注目していたとのこと。
なぜ、科学者たちはゲラーに接触したのか――。
そして、なぜ、「透視」だったのか――。
本書では、当時、超能力研究に携わっていた科学者への精緻な取材により、その背景が明らかにされていきます。

 

数々の検証実験から約30年。67歳になった今も(2013年末)、ユリ・ゲラーは時折ショーやテレビに出演し、まだまだ現役でその“能力”を世界各地で活躍しています。そんなゲラー本人を、昨年秋、NHKスペシャル「超常現象」プロジェクトが、NHKとして初めて取材。「インタビューだけ、2時間」という条件のなか、取材班はイギリスにある彼の豪邸を訪れます。
「なんとか科学的検証ができないか」
ディレクターの思いが強くなる一方で、淡々と進んでいくインタビューの様子が同書には描かれています。刻一刻と迫るタイム・リミット。はたして、ゲラーはその“能力”をカメラの前で披露するのか――。

 

番組「NHKスペシャル 超常現象 科学者たちの挑戦」(3月22日〈土〉午後9時~放送)と、その出版化である本書では、ほかにも、幽霊が出没すると噂される「最も幽霊に憑かれた城」、イギリス・マーガム城や前世の記憶を口にする子どもたちなどを科学的にアプローチする科学者に密着。時には「疑わしい」と言われることもある現象に、真っ向から取り組む彼らの真摯な態度は、強く見る者の胸を揺さぶります。NHK局内で前述の大里智之氏が、最初の企画書を出してから、約10年の歳月を経て、ようやく放送を迎えた、プロジェクトチーム渾身の番組。担当ディレクターの二人が実際に世界各地を取材して書き上げた本とあわせて読めば、「超常現象」への関心は、より一層深くなることでしょう。

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