料理

「本みりん」に「みりん風調味料」? みりんってどんなもの?


2014.12.17

撮影:原ヒデトシ

みりんは煮物にしか使わない、という人も多いのでは。みりんは思われているよりも実力派。「料理をおいしくする効果がわかれば、使い道は倍増しますよ」と話すのは東京農業大学短期大学部醸造学科教授の舘 博(たち・ひろし)さん。みりんとはそもそもどんなものなのか、舘さんに教えてもらいました。

 

*  *  *

 

米を糖化した本みりんはまろやかな甘みになる

 

レシピに「みりん」と書いてあるから、とスーパーに行くと、「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ」などがあり、迷ってしまいます。まずはこれらの違いから、東京農業大学教授の舘 博さんに伺いました。

 

「『本みりん』は、調理専用の酒ですから、酒税がかかっています。製造も販売も、免許が必要。これが本来のみりんです。一方で、『みりん風調味料』はアルコールを1% 未満に抑えていますし、『発酵調味料(みりんタイプ)』は飲めないように食塩を加えていますから、いずれも酒類としては扱われません。名前も色もよく似ていますが、原材料や製造方法が違うため、味わいは全く別物です」

 

本みりんの原材料は、主に「もち米」「米こうじ」「焼酎(または醸造アルコール)」の3つ。この3つで、どのようにつくるのでしょう?

 

「蒸したもち米と米こうじに焼酎を加えて仕込み、40〜60日間かけてじっくりと糖化・熟成させてつくります。もち米が使われることが多いのは、うるち米よりも糖に分解されやすい構造のでんぷんを多く含んでいるため、甘みが出やすくなるからです。こうじ菌の酵素で米のでんぷんが分解されると、糖類(=甘み)が生まれ、さらに熟成させることで、まろやかになります」

 

でんぷんはブドウ糖が構成単位なので、本みりんはブドウ糖を主体として、オリゴ糖など9種類以上の糖で構成されています。

 

「砂糖はショ糖のみのパンチの効いた甘みですが、本みりんは砂糖と比べれば1/2〜1/3ほどの甘みで、もっとまろやかで上品です。また、微量に含まれるアミノ酸やペプチドなどのうまみ成分、有機酸なども味を複雑にしています。本みりんを酒と砂糖で代用したとしても、同じ味にはなりません」

 

店頭では色の濃い本みりんも売られています。何が違うのでしょうか。

 

「本みりんは、熟成過程で糖とアミノ酸が反応して褐色色素が生まれ、こはく色になります。熟成期間が長いほど褐変するため、2年熟成、3年熟成などの商品は濃い色をしていますね。色の濃さにかかわらず、本みりんであれば調理効果は同じです」

 

■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2014年12月号より

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • bnr-eigo2019

  • テキストビュー300×56

  • bnr-eigo2019

000000333052020_01_136

NHKきょうの料理 大原千鶴の絶品手づくりだれ料理帖

2020年01月24日発売

定価 1540円 (本体1400円)

000064072522020_01_136

NHKゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン かんたん かわいい チョコレート&おかし

2020年01月09日発売

定価 990円 (本体900円)

000061992872019_01_136

ごはんづくりが楽になる!みんなのきょうの料理ランキング クイック&ストック ベスト100レシピ

2019年10月21日発売

定価 660円 (本体600円)