料理

パンに不可欠な4つの材料、その理由とは


2014.03.22

米粉パンの発酵前(左)と発酵後(右) 撮影:鈴木雅也

パンづくりは、経験がとても重要ですが、より上手につくるためには、基礎を踏まえた知識が大切です。そもそも、パンはなぜふくらむのでしょうか。パン博士・井上好文(いのうえ・よしふみ)さんが、その仕組みを解説します。

 

*  *  *

 

ふっくらとふくらんだおいしいパンをつくるためには、小麦粉、パン酵母、食塩、そして水が不可欠です。この理由を考えてみましょう。

 

生地をこねることによって、生地中には空気が抱き込まれて小さな気泡がたくさんできます。また、小麦粉のたんぱく質が吸水して粘りのあるグルテンに変化し、気泡の膜の骨格を担います。食塩は塩味を整えるとともにグルテンの強さを高める働きをします。そして、できた生地にはパン酵母が分散していて、生地中の糖類を発酵して炭酸ガスを発生します。パン酵母発酵は生地をこねているときから始まっていますが、こねているときに発生した炭酸ガスはすべて生地中の水に溶けています。したがって、こねているときに生地がふくらむことはありません。こね終わった生地を放置しておくと、約10分経過すると炭酸ガスの水への溶解が飽和状態になり、新たに発生する炭酸ガスはこねる間に形成された生地中の気泡に気化していきます。これによって気泡の内圧が高まり、その膜の骨格が粘りと強さを持つグルテンで形成されているため、時間の経過とともに気泡一つ一つが風船のようにふくらんでいきます。これによってパン生地がふくらみます。これがなぜパンには4つの材料が不可欠なのか? またなぜパンがふくらむのか? の簡単な説明になります。

 

また、パンづくりの工程は複雑で手間暇がかかりますよね。それはパン生地の中で最も急激に炭酸ガスが発生するときがオーブンに生地を入れたあとの5〜10分であり、このときに気泡がガスを逃がさずに大きくふくらむ性質を持たなければなりません。そのためには気泡の数と気泡膜の骨格を形成するグルテンの性質が重要で、こねる→一次発酵→パンチ→一次発酵→分割・丸め→ベンチタイム→成形→最終発酵と工程が進むのにしたがって、気泡が急激にふくらむことができる性質に変化していくからです。ですから、パンづくりの工程は一つも手を抜くことができません。

 

■『NHK趣味Do楽 KOBEで極める! 世界のパン』より

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