料理

江戸雑煮と京雑煮の違い、それぞれの魅力


2013.12.18

柳原家の江戸雑煮。撮影:久間昌史

新年の始まりに欠かせない、日本の伝統食・雑煮。地域によって具材や汁が異なるので、その土地土地でさまざまな味わいが楽しめるのも特徴のひとつ。江戸料理を伝える懐石料理の宗家である柳原一成(やなぎはら・かずなり)さんと、京都の料理旅館に生まれ、料理研究家として活躍する大原千鶴(おおはら・ちづる)さんに、毎年欠かさずにつくる“わが家”の雑煮をご紹介いただいた。

 

*  *  *

 

柳原家の江戸雑煮

 

雑煮は「3、4里四方のものを」と言われるくらい、海が近い、畑が多いなど、その土地でとれる具材を使いますが、いわゆる“江戸雑煮”と呼ばれるものは、鶏だしのすまし汁に焼いた角餅、小松菜、なるとが入ります。そこに“車えび”が入るのが柳原家の大きな特徴です。関東地方では、29日に餅を買うと「苦(く)もち」といわれ縁起が悪いとされているので、わが家は毎年30日に買っています。

 

そもそも、雑煮は“吸い物”なのでだしが大切。澄んだだしを、煮えばなの最高の状態でいただけるよう、具は別々に処理をして盛り付け、汁をはれば、だしの味がダイレクトに伝わります。もちろん、家庭では一緒に煮てもかまいませんよ。

 

雑煮は、餅の形一つをとっても郷土の色を感じます。まさに日本の伝統食ですね。

 

大原家の京雑煮

 

雑煮といえば、京都では昔から、一家の長男は正月に大きな八つ頭がお椀いっぱいに入った白みそ仕立ての汁物を3日かけて食べなければいけないというおもしろい習わしがあるんです。これを食べないと次には進めず、何も食べられない。弟はよく、「正月の苦悩」といっていました(笑)。

 

雑煮は各家庭で入れる具材は違いますが、うちでは大根と里芋が定番。あらかじめ下ゆでして準備をし、元旦にだしをとって手早く仕上げます。

 

白みそは熟成期間が短い繊細なみそですが、風味が強いので、だしに深みを加えるために削り節も使います。同じみそでもみそ汁のように煮えばなをいただくことはなく、こうじの甘みを味わうためにゆっくり煮込んで仕上げます。焼かずに入れたお餅が柔らかく溶け、まるで濃いめのポタージュ風といった感じになるので、常食にしてもいいくらい。芯から体が温まりますよ。

 

■『NHKきょうの料理』2013年12月号より

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